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写植の時代から伝えたいもの(前編)

前のエントリをようやくアップしたのは、このエントリを書きたかったからです(; ・`д・´)

おととい、昨日と大阪へ行ってまいりました。
目的は3つ+α。


1つめは、大阪DTPの勉強会の第10回「はじめての正規表現」への出席。
残念ながら午前中にどうしても外せない用があったために、途中からの参加です。

タイトル通り、正規表現て?というところから解説して(たぶん。最初の方見てないので)いただき、道広勇司さんのお話は楽しくそしてとてもとてもわかりやすかったです。ありがとうございました。

このステップアップ版が東京で開催されるとのことなので、ぜひ参加したいと思います!

よく考えたら、サーバの勉強とかのときに、正規表現もやってたんですよね。
すぐ忘れるから、いつも新鮮!Σ(゚д゚lll)
というか、すみません…。



2つめの目的は、「写植の時代」展

Web-title2_430.jpg

写植ってご存じない方も多いでしょうね。
「しゃしょく」と読みます。

「写真植字」の略で(たぶん…)、ガラス板にプリントされた文字に光をあてて、レンズを通じて文字を拡大縮小し、印画紙に焼き付ける印字方法です。

いまは印刷物を作ると言えばDTP、コンピュータを使いますが、私がデザイナーになりたての頃はこの写植を使った印刷物の作成が主流でした。

デザイナーは仕上がりをイメージしながら原稿に、書体やサイズなどを記入して写植屋さんに渡します。
写植屋さんは「写植機」と呼ばれる機械(いろんな種類がある)で、指定通りに文字を打ってくれます。

指定通り、と書きましたが、実際には「左右揃え」とか、「ツメ」「ツメツメ」とか、「両端00mmで揃える」とか、「カンパコ」とか、そういうまあ言ってみればアバウトな指定をしておくとですね、とーってもきれいに組版してくれるんです。

(ぺーぺーだった私は、写植屋さんに「こんな指定じゃできません!」と怒られたことも多々…^^;)

写植屋さんの仕上がりを受け取るのは、私にとってはドキドキする(指定ミスは何度も…><)とともに、本当に楽しみな瞬間でした。

写植は高かったので(A4くらいのサイズいっぱいに打ってもらうと、2,3万円。1文字でも3,000円とか)、いろんな書体や組み方を試す訳にも行きません。
頭の中で、「この書体でこの紙面にこんな風に配置したらいいかな?」と、何通りも想像し、その中から1つだけに絞り込む(ポスターのキャッチコピーとか、そういうものはカンプの段階からいくつか書体を頼むことができましたが)わけです。

当時は色もすべて「製版指定」で入れましたから、文字も想像、色も想像、仕上がりは自分の頭の中だけにあって、他の人に始めてみせるのが最終的な印刷物。だったんですよね。

で、写植屋さんからの仕上がりが、思った通りだったり、思ったよりもきれいに決まっていたりすると、ほんとーーーーーーに嬉しかったんです。

何でしょうね、パズルゲームの正解を見つけ出したような、すっきり感。

まあそれもこれも、写植屋さんのもつ組版の知識と技術があってこそ。だったのですよ。

変な話、デザイナーが組版あんまりわかってなくても、写植屋さんが何とかしてくれてました^^;
だからおかしな組版の印刷物ってあんまりなかったんですよね。たぶん。

今回の「写植の時代」展は、そんな写植屋さんの持っていた知識や技術のうち、今のDTPの時代に受け継ぐべきものがたくさんあるんじゃないか?というコンセプトで開催されたもの。

実際に写植機を動かしておられた方たちが、実際に動く(!!!)写植機を使っていろーんなことを教えてくれる、本当に貴重な貴重な場です。

私も写植機を打たせていただきました!
完全な手動!!!
すごいよこれー。一生懸命覗き込んでますが、仕上がりは現像してみないとわからんのです。

Al7n32WCEAArst8.jpg

写真お借りしました^^

私がやってると、昭和よりさらにさかのぼって大正|明治みたいですけど…(正規表現っぽくw

「1H」のH=歯が、なぜ「歯」なのか。
この体験をしたら、すっごくよくわかります!

打上ったのはこちら。

IMG_0840.jpg

文字サイズを1文字ごとに変えたので、ベタですが、文字送りも毎回計算です。
大変。でも楽しいー。

ちょっと長くなりそうなので、後半に続く…

あ、でも、これを読んで興味を持った方がいたら、急がないとこの展示は明日までですよ!!
行きそびれないでくださいねー。

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